2025.10.23
  • 老け顔

色素沈着の予防法と治療法|原因やメカニズム、種類とあわせて解説

色素沈着とは

色素沈着とは、何らかの原因によってメラニンと呼ばれる色素が正常より過剰に生成され、それが皮膚に沈着することで皮膚の色が濃くなった状態を指します。

シミの原因となるメラニン色素は、肌の表皮の一番内側にある基底層で生成されます。通常の肌であればメラニン色素が生成されても、肌のターンオーバーによって排出される仕組みです。しかし、メラニン色素の過剰な生成や代謝の乱れで肌内部にメラニン色素が蓄積すると、色素沈着が生じます。

色素沈着の原因とメカニズム

炎症

にきびや皮膚炎などの炎症が起こると、炎症部位においてメラノサイトが過剰にメラニンを生成するため、色素沈着が生じることがあります。 通常は肌のターンオーバーによって、色素沈着は徐々に薄れていきます。しかし、炎症が強かったり、長引くと『炎症後色素沈着』として残ってしまうことがあります。

紫外線や日焼け

色素沈着の主な原因とされるのが紫外線です。 紫外線が肌の奥深くまで浸透すると、肌に大きなダメージを与えます。その紫外線ダメージから肌を守るためにメラニン色素が生成され、色素沈着が生じるのです。

老人性色素斑や脂漏性角化症の主な原因とされており、その他の雀卵斑や炎症後色素沈着、肝斑についても、紫外線のダメージによって悪化することがわかっています。

摩擦

摩擦による肌へのダメージも、色素沈着の大きな原因のひとつです。 スキンケアやメイク、マッサージをする際に強く擦ってしまうことなどが摩擦となり、肌への刺激となります。摩擦を受けた肌はその刺激から肌を守るために角質を厚くしたり、メラニンの生成を促します。その結果、肌に色素沈着が現れます。

摩擦黒皮症や肝斑は、摩擦による刺激が原因で起こりやすい色素沈着です。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの乱れによって、色素沈着が発現することもよくあります。 妊娠期間中やピルの服用、更年期近くなどは、ホルモンバランスが変化しやすい時期です。色素沈着は、ホルモンバランスが乱れたときに生成される「プラスミン(メラノサイト活性化因子)」という物質によって、メラニンの生成が促進されることで現れると考えられています。

肝斑や雀卵斑は、ホルモンバランスが影響して目立ってくるといわれています。睡眠不足やストレスなどもホルモンバランスの乱れにつながるため、注意が必要です。

化学物質

普段使っている化粧品などが原因で、色素沈着が生じることもあります。 化粧品にはタール系成分や香料などの化学物質が含まれており、そのなかには肌への刺激が強くアレルギー反応を引き起こしやすいものもあります。これが引き金となり、痒みやかぶれ、色素沈着が起こることがあるのです。

色素沈着の種類

色素沈着にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。まずはご自身の色素沈着がどの種類なのかを知ることが大切です。 ここでは色素沈着の種類について、詳しく解説していきます。

炎症後色素沈着

炎症後色素沈着とは、ニキビや怪我などの傷、日焼け、ピンセットで無理に毛を抜き続けた場合など、その部位が炎症を起こした際に現れる茶色や黒色の色素沈着です。炎症が刺激となりメラニンが生成されるため、色素沈着が出現します。全身に認められ、大きさや形状はさまざまです。

摩擦黒皮症

摩擦黒皮症は、ナイロン製のタオルや衣服などによる長期間の刺激が原因で発生する色素沈着です。皮膚が摩擦によってダメージを受け、メラニンが過剰に生成されることによって引き起こされます。鎖骨、膝から脛などに出現しやすいのが特徴です。

老人性色素班(日光性黒子)

老人性色素班(日光性黒子)とは、いわゆるシミと呼ばれるものです。紫外線を長年浴び続けることで色素沈着を引き起こします。境界線がはっきりとした丸い形のシミが、30〜40代以降の顔、手の甲、前腕などに出現します。早い方では20代から現れることもあり、最初は薄い茶色ですが、次第に黒く濃くなっていくのが特徴です。

肝斑

肝斑は、30~40代以降の更年期の女性や、ホルモンバランスが乱れたときに多く発症する色素沈着です。頬骨〜頬、鼻の下、額などに左右対称に出現することが多く、境界が不明瞭で茶色い色素沈着がもやもやと薄く広がっています。

雀卵斑(そばかす)

雀卵斑は一般的にいうそばかすのことで、遺伝的要因が強いとされています。幼児期~思春期にかけて濃くなり、思春期を過ぎると薄くなっていくことがほとんどですが、紫外線の影響を受けて濃くなってしまうケースもあります。直径数ミリくらいの小さな茶色い斑点が、頬や鼻のあたりに対称性に広がるように出現するのが特徴です。

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)とは青あざの一種で、20〜30歳前後に両頬や目の周り、額などに現れる、茶褐色もしくはやや青みがかった斑点状のシミです。肝斑と見た目は似ていますが、肝斑は表皮にメラニン色素が沈着するのに対して、ADMはより深い真皮に沈着します。このことから肝斑とADMでは治療法が異なるため、診断が非常に大切です。

脂漏性角化症

脂漏性角化症は、一般的に老人性イボと呼ばれています。長い間紫外線にさらされたり、皮膚が老化することで生じる、やや盛り上がった茶色や黒色のシミの一種です。

色素沈着が生じやすい部位とその原因

色素沈着はどの部位にも生じる可能性がありますが、ここでは特に生じやすい部位とその原因について解説していきます。

目の周りの色素沈着

目の周りは、炎症後色素沈着が多く見られる部位です。 まぶたの皮膚は非常に薄くデリケートなため、アイメイクや二重のりの成分や刺激が原因となり、メラニンが過剰に生成されることがあります。

また、花粉症などの痒みで無意識に目を擦るクセがあると、皮膚の色素沈着やくすみの原因となります。

ひじ・ひざの色素沈着

ひじやひざも日常生活で擦れることが多いので、色素沈着の好発部位です。 ひじをつくクセが合ったり、正座などでひざをついたりすることが多い方は、その摩擦によって黒ずみが生じます。また、肌の乾燥や加齢、またそれらによるターンオーバーの乱れによって、古い角質が蓄積し黒ずみが目立つようになります。

色素沈着を予防するには?

色素沈着は一度できてしまうとケアが大変ですが、日常生活のなかでいくつかの点に注意することで予防することができます。 ここでは、色素沈着の予防法を5つご紹介します。

紫外線対策を徹底する

紫外線のダメージは、色素沈着を引き起こす大きな原因のひとつです。正しい紫外線対策をおこなうことで、紫外線が原因で生じる老人性色素斑や脂漏性角化症などのシミを予防できます。

紫外線は季節や天候を問わず一年中降り注ぎ、UVAは雲やガラスも通過して肌に影響します。日焼け止めは通年で使用し、夏は日傘や帽子などを併用しましょう。手の甲や顔の高い部位など露出部分は特に注意が必要です。

生活習慣を改善する

肌のターンオーバーが乱れると、肌内部に滞っているメラニン色素を排出することができず、色素沈着の原因となってしまいます。ターンオーバーを正常化させるためにも、生活習慣を改善することが大切です。

栄養バランスのよい食事、十分な睡眠、定期的な運動、そして禁煙は、肌のターンオーバーを促進し、シミを防ぐのに効果的です。

摩擦を避ける

摩擦は肌にとって大きな刺激となります。 お風呂で身体を洗う際は、ナイロンタオルなど肌へのダメージが大きいものの使用は避け、常に優しく肌に触れるようにしましょう。小さいサイズの衣服や靴も摩擦を起こしやすいので、身体のサイズに合ったものを選んでください。

また、ムダ毛の処理をカミソリでおこなうと肌が傷ついたり、乾燥しやすくなるため、色素沈着が生じる原因となります。頻度を下げたり、別の方法でムダ毛処理をすることを検討してください。

適切なスキンケアをおこなう

洗顔やスキンケアの際に肌をゴシゴシと強く擦ることも摩擦となり、生体防御反応としてメラニン色素が過剰に生成されてしまいます。肌は摩擦刺激を与えないよう、指の腹を使って優しく扱うようにしましょう。

また、肌が乾燥するとバリア機能が低下し、さまざまな肌トラブルを引き起こします。肌をしっかり保湿することで、バリア機能を保持したり、ターンオーバーを促進することができるのです。保湿クリームや保湿効果の高いアイテムを使用して、保湿を十分におこないましょう。

色素沈着に有効な成分を使用する

色素沈着を予防するには、紫外線対策などと並行しながらターンオーバーを促進するケアや美白ケアを取り入れるのがおすすめです。 ここでは、色素沈着の予防に効果的な有効成分について解説していきます。

色素沈着やニキビ解消に!ビタミンC誘導体

ビタミンC誘導体とは、崩れやすいビタミンCを成分として安定させ、誘導体として肌に浸透させやすくしたものです。 メラニン色素を生成するチロシナーゼの活性を抑える働きがあるため、シミの予防やすでにできでしまった色素沈着の改善が期待できます。

また、皮脂の分泌を抑えることで、色素沈着のもとになりやすいニキビの予防にも効果的です。

肌のターンオーバーに!プラセンタ

色素沈着を予防・改善するためには、肌のターンオーバーを整えることが重要です。 プラセンタには肌細胞の活性化や再生を促す成長因子や、アミノ酸が含まれています。これらの成分がターンオーバーを正常化し、メラニンの排出を助ける働きをサポートします。

美白剤の効果!ハイドロキノン

ハイドロキノンは、シミや色素沈着の改善に有効な成分として多くの方に知られています。 ハイドロキノンはメラノサイトに作用し、メラニン色素の合成を阻害する働きがあります。これによりすでにできてしまったシミが薄くなり、新たな色素沈着を防ぐ効果が期待できます。

ただし、強い成分であるため使用には注意が必要です。長期間の使用や高濃度の製品は、炎症やかぶれなどの副作用を引き起こすことがあるため、医師の指導のもとで使用することを推奨します。

色素沈着を治したい!最適な治療法を紹介

色素沈着は、日常生活のスキンケアや食べ物によるケアである程度予防・改善することが可能です。しかし、そこには限界があり、色素沈着の原因や種類によっても適切な治療法は異なります。 自分に合った治療法でしっかりと改善したい場合は、一度美容皮膚科に相談することをおすすめします。

シミ取りレーザー(Qスイッチルビーレーザー)

シミ取りレーザー(Qスイッチルビーレーザー)とは、専用のレーザーをシミの上から照射することで、色素を破壊し自然な肌の色味に改善する治療です。

施術名:シミ取りレーザー(Qスイッチルビーレーザー)
施術の説明:レーザー光のピークパワーを高めたQスイッチモードでメラニン色素のみを選択的に破壊する治療です。
施術の副作用(リスク):疼痛・発赤・火傷・色素沈着・白斑・肝斑増悪の可能性があります。
施術の価格:2,680円~24,000円

レーザートーニング

レーザートーニングとは、肝斑のある方にも安全・効果的な、数少ないレーザー治療です。熱ダメージがなくメラノサイトを刺激しないため、肝斑を悪化させずに治療できます。そばかすやシミ・くすみの改善、肌全体の色調改善の効果も期待できます。

施術名:レーザートーニング/肝斑治療
施術の説明:メラニン吸収の特性を持った1064nmの波長を使用して肝斑を含む各種のくすみなど皮膚表面の色調を改善する治療です
施術の副作用(リスク):疼痛・発赤・火傷・色素沈着・白斑・肝斑増悪・ざ瘡悪化の可能性があります。
施術の価格:4,950円~143,130円

ピコトーニング

ピコトーニングとは、シミ・くすみだけではなく、従来のレーザー治療が難しかった肝斑にも施術可能なアメリカFDA認可のレーザー治療です。熱ではなく衝撃波でメラニンを粉砕させて色素を除去するため、これまで取りきれなかったシミも改善できます。肌への負担や痛みが少なく、効果を短時間で実感できる点が特徴です。

施術名:ピコトーニング
施術の説明:優しいアプローチでダウンタイムを抑えつつ浅い層のシミを改善。美肌治療では真皮から輝きを取り戻し、本来のお肌の美しさ・自信を蘇らせます。
施術の副作用(リスク):疼痛・発赤・火傷・色素沈着・白斑・肝斑増悪・ざ瘡悪化の可能性があります。
施術の価格:7,800円~105,000円

IPL光治療

IPL光治療とは、厚生労働省認可の最新光治療機を使用し、化粧品では届かない肌奥に眠る色素にアプローチして、色ノイズがない桁違いの透明肌へと導く治療です。そばかすなどの細かいシミや、炎症を起こした赤色などの色味だけを粉砕・排出するため、肌全体のトーンアップなど美白効果が期待できます。

IPL光治療(フォトダブル(R)・フォトトリプル)
施術の説明:厚生労働省承認の最新光治療機器「ステラM22」を使用し、IPL(光エネルギー)でお顔全体の美肌・美白を目指す治療です。
施術の副作用(リスク):疼痛・発赤・火傷・色素沈着・白斑・肝斑増悪、稀にざ瘡悪化の可能性があります。
施術の価格:7,800円~84,000円

美容内服

湘南美容内服薬 四合剤は、トラネキサム酸、グルタチオン、シナール、ハイチオールの4成分が1錠になった人気No.1の美白お薬です。メラニンの生成を抑制する成分やターンオーバーを正常化する成分が凝縮されているため、シミ・肝斑を内側から改善することができます。

美容内服
施術の説明:トラネキサム酸 / L-システイン / ビタミンC / グルタチオン の内服薬セットです。
施術の副作用(リスク):食欲不振・悪心・嘔吐・胸やけ・胃不快感・胃痛・下痢・過敏症・そう痒感・発疹・口喝・腹痛などを生じることがあります。
施術の価格:5,500円

本施術は、日本国内未承認医薬品または医療機器を用いて処置を行います。 治療に際し使用する医薬品、機器等はSBCグループに所属する医師の判断の元、個人輸入手続きを行っています。

まとめ

色素沈着は多くの方が悩む肌トラブルのひとつで、原因や種類が多岐に渡るため、適切な理解と予防・治療が重要です。 予防法として日頃からの紫外線対策や適切なスキンケアが挙げられますが、根本的な改善を目指す方には美容医療をおすすめします。レーザー治療や外用薬、内服薬など美容医療の選択肢も多様であるため、よりよい結果を得るためには自分に合った治療法を見つける必要があります。

湘南美容クリニックでは、シミ取りレーザー/レーザートーニングの症例実績が70万件※にも上ります。(※2023年2月末現在)症状別に適応のレーザーや治療法をご提案し、シミが再発しにくい肌へと導きます。色素沈着にお悩みの方は、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。

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