「鼻下が長くて面長に見える」「老けた印象に見える」と悩む方は少なくありません。鼻下の長さは顔全体の印象に大きく影響し、わずか数ミリの差でも見た目が変わるといわれています。鼻下を短く見せるには人中短縮治療が有効ですが、原因に応じて適切な治療法を選ぶことが重要です。

本記事では、鼻下が長く見える原因や自力での対処法、人中短縮治療の種類と注意点について詳しく解説します。

長い鼻下(人中)が与える印象

鼻下から唇までの部分は「人中(にんちゅう/じんちゅう)」と呼ばれる、顔のバランスや印象を左右する重要なパーツです。人中が長いと老けた印象を与えたり、やや動物的な印象を与えるといわれており、短くしたいとお悩みの方は少なくありません。

近年では、人中を短く見せたり、実際に短縮させたりする施術が人気を集めています。鼻下が短くなることで、幼く可愛らしく見える、または小顔効果があるとされています。

鼻下の理想的な長さは約1.5cm

日本人の平均的な鼻下の長さは、およそ1.5cm(女性は1.1〜1.3cm程度)といわれています。そのため、2cm以上ある場合は鼻下が長く見え、のっぺりとした印象を与えることがあります。

ただし、顔全体のバランスが重要であり「1.5cm」という数値はあくまで目安として考えるのがよいでしょう。

下顔面の黄金比率と鼻下の測り方

下顔面には、顔立ちが美しく見えるとされる黄金比率があり、鼻下の長さとあごの長さのバランスが1:2であると、整った印象を与えるといわれています。

例えば、鼻下の長さが1.5cmであれば、下唇からあご先までの長さが3cmだと、バランスがよく美しく見えるといえるでしょう。

鼻下の長さは、鏡を見ながらメジャーや定規を使って簡単に測定できます。鼻のすぐ下から上唇のくぼみまでの距離を測ってみてください。ご自身の人中の長さや、あごとのバランスが取れているかを確認する目安になります。

鼻下が長くなる原因とは

もともと生まれつき鼻下が長い方もいれば、年齢とともに徐々に間延びしてくるケースもあります。主に加齢による要因、先天的な要因、習慣による要因に分けられます。以下でそれぞれ詳しく解説します。

加齢で鼻下が伸びる

年齢を重ねると、肌のハリや弾力を保つコラーゲンが減少し、同時に表情筋も衰えていきます。特に口周りの筋肉(口輪筋や上唇挙筋)が弱ると、皮膚が重力に負けて下方向へたるみ、結果として鼻下が間延びして見えるようになります。

また、皮膚のたるみだけでなく、唇のボリュームも減ってくることで、相対的に鼻下の長さが目立ちやすくなります。若い頃には気にならなかったのに、年齢とともに「なんだか鼻下が長くなった」と感じるようになるのは、加齢による変化であるといえるでしょう。

骨格により鼻下が長い

もともとの骨格によって、鼻下が長く見えることもあります。特に、上あごの骨(上顎骨)が縦に長い方は、その構造上、鼻下から唇までの距離も長くなる傾向があります。

骨格性の鼻下の長さは、表情やたるみとは関係なく、若いうちから「鼻下が長い」と感じる要因になります。またこのような先天的な骨格による特徴は、自力での改善が難しいため、外科的な手術が検討されることがあります。

上唇が薄く鼻下が長く見える

鼻下が長く見える原因として、上唇の薄さも挙げられます。上唇にボリュームがないと、鼻の下から唇の先端までの距離が相対的に長く感じられ、鼻下が間延びして見えることがあります。

特に横から見て「鼻下が長い」「のっぺりした印象がある」と感じる方は、唇の薄さが一因となっている可能性があります。逆に、上唇にボリュームがあり、横から見てアルファベットの「C」を描くように丸みのある形をしていれば、鼻下は短く見える傾向にあります。このような場合は、唇とのバランスを整えることがポイントとなり、唇への注入治療などで印象を改善できるケースがあります。

出っ歯で鼻下が引っ張られる

出っ歯(上顎前突)の方は、鼻下が長く見えることがあります。出っ歯、または前に突き出た上あごによって鼻下の皮膚も前方へ引き伸ばされ、結果的に鼻下が長く見える場合があるのです。

出っ歯は遺伝だけでなく、歯ぎしりや食いしばりなどの習慣で引き起こされることがあります。口元の突出感があり、横から見ても鼻下が長く見える場合があります。

日常の癖や習慣による表情筋のゆるみ

日常生活の中でのちょっとした癖や習慣も、鼻下が長く見える一因となることがあります。例えば、スマートフォンやパソコンの長時間の使用で、うつむいた姿勢が続いたり、無表情で過ごす時間が多かったりすると、口元の表情筋が使われずに衰えていきます。

このような日頃の習慣にさらに加齢が加わると、鼻下の皮膚がたるみやすくなり、間延びしたような印象を与える可能性があります。

マッサージやエクササイズで鼻下を短くできる?

若いうちに口元のマッサージやエクササイズを継続すれば、加齢による鼻下の間延びを予防できる可能性はあります。ただし、生まれつきの場合や年齢とともにすでに鼻下が長くなっている場合、マッサージなどの自己ケアで人中をピンポイントに短くさせることは困難といえます。

自己ケアで改善が難しい場合、最も手軽に鼻下を短く見せる方法はメイクです。また、出っ歯の方は歯列矯正を検討するとよいでしょう。それぞれ解説します。

鼻下を短く見せる「人中短縮メイク」

最も簡単で即効性があるのが「人中短縮メイク」です。メイクで視覚的に人中を短く見せることで、顔の印象をぐっと若々しく、バランスよく整えることができます。費用や痛みの負担が少ないため、気軽に取り入れられます。

具体的には、鼻下に影を入れる「シェーディング」や、上唇の輪郭を少しオーバー気味に描いてボリュームを持たせる「オーバーリップ」などの方法があります。特に上唇が薄い方におすすめです。

ただし、あくまで一時的に短く見せるもののため、根本的に鼻下を短くする方法ではないことを理解しておく必要があります。

出っ歯の方は「歯列矯正」

出っ歯によって鼻下が長く見える場合は、メイクや美容医療ではなく、歯列矯正が有効な方法です。根本原因である歯並びを整えることで、鼻下の間延びした印象を改善できます。

矯正治療は時間を要するものの、長期的に見て顔立ち全体のバランスを整える効果が期待でき、横顔の印象も整います。外見だけでなく、かみ合わせや口元の機能改善にもつながるでしょう。

鼻下の長さを短くできる根本的な人中短縮治療

メイクで視覚的に短く見せるだけでなく、実際に鼻下の長さを短縮させるなら、美容医療がおすすめです。

今人気の人中短縮治療を、実際の症例とともにご紹介します。

唇ヒアルロン酸

上唇にヒアルロン酸を注入し、唇に自然なボリュームを与えて形を整える治療です。透明なジェル状のヒアルロン酸製剤を使用します。

ヒアルロン酸は、コラーゲン組織や肌の潤い、ハリ・ツヤを維持する役割がある、もともと体内に存在する物質です。体内のご自身のヒアルロン酸と融合することで、患部に自然なふくらみを与え、理想の唇に近づけます。上唇にボリュームを与えることで人中短縮効果があり、上向きの若々しい口元を演出できます。

施術名:ヒアルロン酸

施術の説明:ヒアルロン酸を気になる部位に注入し、シワやハリ・肌質を改善する方法です。注射で注入するだけという、安全性と手軽さを兼ね備えた施術です。

施術の副作用(リスク):疼痛・腫れ・内出血・血管閉塞・アレルギー・感染・硬結を生じる可能性があります。

施術の価格:18,330円~81,270円

唇ヒアルロン酸の詳細はこちら>

人中短縮ボトックス

上唇の縁にボトックスを注入することで、唇が上向きになりやすくする治療です。ボトックスの作用により口輪筋の動きを和らげ、唇をツンと上向きに変化できます。鼻下が短く見え、横顔のシルエットも整います。

切開がともなう治療ではないため、自然な変化ながら印象に大きな違いが生まれます。効果の持続は3〜4ヵ月程度のため、定期的に注入する必要がありますが、切らずに人中短縮や面長解消が叶います。

施術名:ボトックス(アラガン)

施術の説明:神経からアセチルコリンが出るのを抑え、筋肉の過剰な動きをやわらげることにより、しわを軽減します。

施術の副作用(リスク):疼痛・腫れ・内出血・アレルギー・表情に違和感を生じる可能性があります。

施術の価格:8,000円~33,000円

人中短縮ボトックスの詳細はこちら>

切らない人中短縮

医療用の縫合糸を、鼻下から人中に通して縫い縮める人中短縮の治療です。皮膚を切開することなく、糸を使うことで切らずに鼻下を短くできます。

切開がともなう人中短縮よりダウンタイムが短く、傷や針穴が数カ所のみのため、身体への負担が少なくて済みます。「メスを使う手術は抵抗がある」「変化は欲しいがダウンタイムはおさえたい」という方におすすめです。

施術名:切らない人中短縮

施術の説明:吸収される外科用の縫合糸で、鼻下から人中に糸を通して縫い縮めることで、自然な人中の短縮を行います。

施術の副作用(リスク):だるさ・熱感・頭痛・蕁麻疹・痒み・むくみ・発熱・咳・冷や汗・胸痛・皮膚が凹む・糸を固定した部分が膨らむ・触れる・違和感・異物感・突っ張り感・引きつり感を感じるなどを生じることがあります。

施術の価格:70,400円

切らない人中短縮の詳細はこちら>

人中短縮(リップリフト)

間延びした鼻下の余分な皮膚を除去し、縫合して人中を短くする治療です。鼻の付け根部分を切開するため、傷が目立ちにくく、後戻りも少ない特長があります。ダウンタイムは他の施術に比べて長くなりますが、半永久的な効果が期待できます。

切る人中短縮の場合は、最大5ミリ程度の短縮が可能なため、大きな変化を求める方におすすめです。ただし、どのくらい長さを縮められるかは個人差があります。

施術名:リップリフト

施術の説明:伸びた鼻の下の皮膚を切除し、鼻の下が間延びした印象を改善させる手術です。

施術の副作用(リスク):だるさ・熱感・頭痛・蕁麻疹・痒み・むくみ・発熱・咳・冷や汗・胸痛・感染(化膿)・血が溜まる・傷が開く・糸が露出する・傷口の先端のふくらみ・盛り上がり・左右の大きさ、厚さが違うなどを生じることがあります。

施術の価格:234,300円

人中短縮(リップリフト)の詳細はこちら>

美容医療の人中短縮を受ける際の注意点

人中短縮によって口元の印象を若々しくしたり、面長を解消できたりする効果がある一方で、注意点もあります。特に、切開をともなう人中短縮(リップリフト)の場合はやり直しが基本的にできないため、次のような点に注意しましょう。

やりすぎると不自然になる

鼻下を短くしたいと思うあまり、過度に短くしたり、ヒアルロン酸を入れすぎたりすると、不自然な口元になる場合があります。ミリ単位にこだわって理想の平均値に近づけようとすると、やり過ぎてしまう可能性もあります。

前述したとおり、「1.5cm」の平均値はあくまで目安です。全体的なお顔のバランスを見て、自然に仕上げることが人中短縮の重要な点です。

ガミースマイルが悪化する

ガミースマイル(歯茎が見える状態)を発症している場合は、鼻下を短くすることで、さらに歯茎が目立ちやすくなる可能性があります。短くし過ぎると口が閉じにくくなることがあるため、笑うと歯茎が見える方は、ヒアルロン酸やボトックス注射が適応になることがあります。

また、他にもアップノーズ(鼻が上向きぎみ)の場合なども、人中短縮手術の適応に関しては慎重なカウンセリングが必要になります。人中短縮で失敗しないためにも、実績のあるクリニックに相談しましょう。

鼻下の長さは美容医療で解消!若々しい印象に

人中はお顔全体の印象を左右する重要なパーツの1つです。数ミリ単位の違いで、大きく印象が変わります。生まれつき鼻下が長い場合や、加齢によって間延びしてしまった場合などは、セルフケアで改善が難しいため、美容医療が有効な選択肢です。

半永久的な効果を求める場合は、手術による人中短縮が第一選択となります。湘南美容クリニックでは、豊富なメニューから、お顔全体のバランスを考慮した無理のない適切な施術やデザインで自然な仕上がりをご提案いたします。鼻下の長さが気になる方、手術に不安がある方は、ぜひ当院にご相談ください。

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